株を長期で保有しようと考えている人にとってチャート以上に大切な情報源が、企業業績を正確に伝えてくれる決算報告書と、来季あるいはそれ以降の業績予想です。
株の短期トレードをしている人にとっては、企業業績よりもリアルタイムで株価を表示してくれるチャートの方が遥かに重要な指標だと思いますが、株価を長いスパンで捉えようと考えている場合は、短期的な値動きよりも、その会社の本来の力を表している「企業業績」に注目すべきです。
株価というものは、短期的にはその時々の株式市場全体の「勢い」に左右されたり、為替やちょっとしたニュースに影響を受けて小刻みに上下動を繰り返します。
短期トレーダーはその「小さな波」をコツコツと拾っていくわけですが、そういった小さな波は、長期投資家にとっては「取るに足らない」ものです。
なぜなら、小さな波は遅かれ早かれ「企業業績」という大きな波に吸収されて消えていくからです。
企業業績は株価に反映される
「株価は利益の変数」といわれます。
利益を着実に伸ばしていく企業なら、株価の上昇も期待できるからです。
どうせ資金を提供するのなら、効果的に稼いでくれる企業を選びたいものです。
利益に注目した銘柄選択は、「投資の王道」といえます。
上場企業の業績は、決算という形で公表されます。
年に1度の「決算」(本決算)、半年ごとの「中間決算」、最近では3ヶ月ごとの「四半期決算」も行われます。
決算報告書には、その期の売上高や利益の金額がまとめられています。
過去の決算報告書は、企業のホームページで公表されています。
業績の上方修正で株価は上昇する?
投資家にとって重要なのは、過去よりも未来です。
決算報告者を見るときには、過去の実績に加えて、将来に対する業績予想にも注目しましょう。
業績予想は「前期比○%増、○億円の利益を上げる」といった形で公表されます。
たとえ増益になっても、会社予想を下回る利益しか上げられなかったら、株価が下落する可能性が大です。
なぜなら投資家の期待を裏切ったことになるからです。
決算発表前に会社予想をアップさせる「上方修正」を行う会社もあります。
上方修正は、好業績の証と受け止められ、株価の上昇要因になります。
逆に、会社予想を引き下げる「下方修正」を行えば、株が売られるのはいうまでもありません。
上方修正、下方修正ともに、発表された翌日の日本経済新聞に掲載されます。
業績アップに結びつくニュースに株価は反応する
株式市場を取り巻くプレーヤーたちは、常に株価に影響を与える「新鮮なニュース」に飢えています。
そんな彼らにとって、新製品や新技術に関する情報は格好の「売買ネタ」となり、多くの場合株価を押し上げます。
もしガンの特効薬が発明されたら…
「歴史にif(もし)は不要」といいますが、株価市場は「もし」や「ウワサ」によって大きく動かされます。
もし、A製薬がガンの特効薬を発明したら、何が起こるでしょう。
ガン患者が喜ぶのはいうまでもありませんが、その薬がヒット商品なることで、A製薬の業績はアップし、株価も上昇するでしょう。
A製薬の株を買っていた投資家も大喜びです。
画期的な新商品の開発は、株価を押し上げる強力な材料になります。
しかし、発表と同時に株価がハネ上がってしまうのが通例です。
ニュースを聞いてから買ったのでは、あまり儲けられません。
「ウワサで買って、事実で売れ」といいますが、賢い投資家なら「開発しているらしい」というウワサの段階で株を買っておきます。
企業からの発表がきっかけになるだけでなく、マスコミで取り上げられて株価が上昇した例も少なくありません。
株式投資とは企業の将来を買うこと
企業が攻めの姿勢に入ったことを具体的な形で示すのが「設備投資」です。
新しい工場を建てたり、機械設備をリニューアルするのは企業財務にゆとりがある証拠です。
設備投資とは、さらに利益を伸ばしていくための投資なのです。
トヨタ自動車が、販売台数世界一に輝いた理由のひとつは、景気低迷期にもコンスタントに設備投資を続けたことといわれています。
設備投資は、1年で見れば赤字要因です。
しかし、長期的に考えれば、プラスに働くはずです。
赤字・黒字といった表面的な数字を追うだけではなく、何にお金を使っているのかを考えることが大切です。
アノマリー・季節変動を見ておこう
本来アノマリーという言葉は「理論的に説明できない事象」という意味なのですが、株式投資で使われるアノマリーのニュアンスとしては、夏にビールメーカーの株価が上がるように、「あるパターン化された株価の動き」と考えた方が理解しやすいかと思います。
猛暑でビール会社の株価が上がる
「4年に一度のオリンピックイヤーには、電機メーカーの株が上がる」といわれています。
オリンピックを見るためにテレビを買い換える人が増えるのが理由です。
企業もオリンピックに合わせて新商品を発表したり、CMを増やしたりします。
「猛暑の年にはビール会社の株価が上昇する」というのもよく知られています。
「暑い→ビールが飲みたくなる→ビールの消費量が増える→ビール会社が儲かる→ビール会社の株価が上がる」というわけです。
ただし、猛暑を実感してから株を買ったのでは遅すぎます。
長期予報を睨みながら、早め早めに買い入れておく必要があります。
ほかにも、「阪神タイガースが強い年は阪急阪神ホールディングスの株価が上昇する」「妃殿下がご懐妊されると赤ちゃん関連の株価が上昇する」というのも知られています。
株価は5月に反転する!?
株価が毎年同じ月に同じ動きをすることがあります。
4月は株価が上昇します。
これは国内機関投資家の新規資金が動くのが原因といわれています。
5月は株価が天井または大底になります。これは決算発表が行われるのが原因といわれています。
11月は株価が下がります。
これは欧米のヘッジファンドが決算期を迎え、利益を確定するために株を売るのが原因といわれています。
このように、はっきりとした根拠はないのですが、一定の法則に基づいたように株価が動くことを「アノマリー」といい、これを利用した投資を「アノマリー投資」といいます。
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