株の譲渡益と配当金に所得税と住民税がかかる
税金の話しほど嫌な話はないですが(笑)、株に関する税金となると輪をかけて嫌なものです。
というのも、給与所得のように「毎月一定額」確実に入ってくるお金とは違い、株の売買で得た利益というのは、すごいリスクにさらしてようやく得た「戦利品」なので、そのやっと得た利益から、さらに20%も税金としてもっていかれるのは本当に辛いものです。
でも、投資家たるもの税金の話は避けては通れません。
株から得られる利益にも税金がかかる
給与や家賃収入に税金がかかるように、株の売買で得た利益にも税金がかかります。
株式投資から得られる利益には、配当によるもの(インカムゲイン)と、株価が上昇することによる値上がり益(キャピタルゲイン)があり、それぞれに対して以下のように課税されます。
- 売買で得た利益(譲渡益、キャピタルゲイン)
- 配当(インカムゲイン)
売却益に対する課税
買い値より上昇した株価で売却(=譲渡)した際の売却益(=譲渡益)は、譲渡所得となります。
株式等の譲渡所得は申告分離課税となり、原則として確定申告を行います。ただし、源泉徴収ありの特定口座を利用している場合は、確定申告は不要です。
上場株式等の譲渡益に対する税率は、一律20%(所得税15%、住民税5%)となっています。
また、未上場株式の譲渡益に対する税率も同様に20%(所得税15%、住民税5%)です。
株価が下落したことで譲渡損失が発生した場合は課税されません。
なお、その年の他の株式の譲渡益と通算することができ、通算によっても損失額の方が大きかったとき、引ききれなかった損失は、翌年以降3年間の株式等の譲渡所得の金額から差し引くこと(=控除すること)が可能で、これを譲渡損失の繰越控除といいます。
配当金に対する課税
株式の配当金は配当所得となり、上場株式の場合、原則として20%(所得税15%、住民税5%)の税率で源泉徴収されて納税が完了するため、確定申告は不要です。
なお、未上場株式の配当にかかる税率は、所得税のみの20%で、住民税の負担はありません。
また、確定申告を行い申告分離課税扱いにすることや、総合課税扱いとして配当控除の適用を受けることも可能です。
申告分離課税を選択した場合に限り、配当所得の金額と株式等の譲渡損失の金額を損益通算することができます。
特定口座
特定口座とは、証券会社に口座を開く際に選択するもので、特定口座を開設すると、その口座内での取引における譲渡所得の計算は、証券会社が行ってくれます。
特定口座には、源泉徴収ありと源泉徴収なしの2種類があり、証券会社1社につき1口座が開設できます。
源泉徴収ありを選択した場合、特定口座内における上場株式等の譲渡所得は、税金が源泉徴収されるため、確定申告は不要となります。
ただし、他の口座を利用した譲渡損失との通算をする場合や、譲渡損失の繰越控除制度を利用する場合には、確定申告をする必要があります。
源泉徴収なしの特定口座における上場株式等の譲渡所得は、原則通り確定申告が必要となりますが、証券会社が作成した年間取引報告書に基づいて簡易に申告することが可能です。
また、特定口座を利用しない場合は、投資家自らが取引を記録し確定申告する必要のある一般口座を開設することになります。