株の売買の始め方

株の売買が成立する仕組みとは?

株の売買はどのように成立するのか?

普段、パソコンやスマホから株のトレードをしていて、株式の売買がどのような仕組みで成り立っているのかを意識することはほとんどないかと思います。
また、理解する必要もなくクリックひとつで済むことですからね。

でも、「その仕組みにちょっと興味がある」とか、「株をやる以上それぐらいは知っておきたい」という方のために、なるべくわかりやすく、「株の売買がどのように成立するのか?」についてお話ししたいと思います。

株の売買注文には「価格優先の法則」と「時間優先の法則」がある

株の売買注文には「価格優先の法則」と「時間優先の法則」がある

僕が先物取引会社に勤め出した当時は、まだすべての取引所がコンピュータ化されていなかったので、農産品など一部の取引所では、まだ「手信号」で売買が行われていました。

市場が活況にある時は、大勢のトレーダーたちが大声を張り上げて、まるでケンカをしているような騒ぎだったのを、今でもハッキリと覚えています。
僕はあのエネルギーに満ちた世界が大好きでしたし、その時に受けた強烈な印象のお陰で、今でも相場との関わりを続けています。

株の売買の流れ:「価格優先の法則」と「時間優先の法則」

新聞の株式欄に掲載されている1株当たりの株価は、その金額でその銘柄の株を購入できるという意味ではなく(できるものもある)、実際の売買では、単元株の整数倍で行われます。
単元株とは、銘柄(会社)ごとに定められた株式の売買単位のことで、その会社が自由に決めることができます。株主は1単元につき1個の議決権を有します。
なお、株式投資の際には、会社名のことを銘柄と呼びます。

株の売買注文をする際は、銘柄名と売買株数を決めた上で、

「株価を指定して売買する指値注文」か、「株価を指定せずとにかく売買することを優先させる成行注文」かを選択します。
売買の際には成行注文が指値注文より優先されます

指値注文においては価格優先の原則があるため、買い注文では高い価格での注文が優先され、売り注文では低い価格での注文が優先されます。
また、指値注文での同じ価格での注文や成行注文どうしにおいては、時間優先の原則に従い、先に出した注文が優先されます。
売買が成立することを約定といい、約定日を含めて4営業日目に売買代金の受け渡しが行われます。

なお、株価が大幅に変動した場合に、投資家が不測の損害を被らないように、1日の値幅を所定の範囲内に制限する制度(値幅制限)が設けられています。

  • 価格優先の原則:買い注文では高い価格での注文が優先され、売り注文では低い価格での注文が優先される
  • 時間優先の原則:同じ価格の注文に場合は、先に出した注文が優先される

株の売買はオークションに似ている

投資家の「買いたい」「売りたい」という注文は、証券会社を通じて証券取引所に集められます。
「少しでも安い値段で買いたい」「少しでも高く売りたい」というのが本音です。
大量の注文を、証券会社はどうやってさばいているのでしょうか。

「500円で買いたい」というAさんと、「490円で買いたい」Bさんがいたとします。
この場合は「価格優先の法則」により、高い値段をつけたAさんの注文が優先されます。
逆に、売り注文なら、より安い値段をつけた投資家が優先されます。

「500円で買いたい」という投資家が複数いる場合には、先に出した注文が優先されます。
これを「時間優先の法則」といいます。

株を買いたい投資家が殺到するときには、1秒を争うように高い値段がつけられ、価格が切り上がっていくオークションに似ています
冷静さを失うと、とんでもない値段で買ってしまう可能性があるので注意が必要です。

反対に、買い手が少なく売り手が殺到する状況だと、株価はぐんぐん下がっていきます。

注文が出会ったところで約定する

「500円で買いたい」という注文と「500円で売りたい」という注文が出会った時点で、売買が成立します。
売買が成立することを「約定」、売買価格を「約定価格」といいます。

なお、「価格優先の法則」「時間優先の法則」のほかに、「成行注文が指値注文に優先する」という法則があります。

株式の売買市場

株式の売買は、個人が直接証券取引所に注文することはできません。必ず証券会社を通じて証券取引所で行われるため、取引を始めるにはまず証券会社に口座を開設する必要があります。
証券会社は顧客から受けた売買注文を証券取引所に取り次ぎ、注文を執行します。

国内の主な取引所

三大証券取引所
東京証券取引所。大阪取引所(大阪証券取引所から組織変更)。名古屋証券取引所。
地方証券取引所
福岡証券取引所。札幌証券取引所。
新興市場
マザーズ(東京)。ジャスダック(東京)。セントレックス(名古屋)。



株の取引時間はどうなっている?

株の取引時間はどうなっている?

株の取引時間は、取引所によって多少の違いがあります。

  • 東京証券取引所:平日9時から11時30分、12時半から15時まで。
  • 大阪取引所:平日8時45分から15時15分(日中立会)・平日16時30分から翌5時30分。共にデリバティブ。
  • 名古屋証券取引所:平日9時から11時30分、12時半から15時30分まで。

インターネットなら24時間注文が可能

証券取引所で取引が行われる時間帯を「立ち会い時間」といいます。
東京証券取引所の立ち会い時間は、「前場」といわれる午前9時から11時半と、「後場」といわれる午後12時半から15時までです。
土日祝日は取引が行われません。

1日の中で、最初に成立した取引を「寄付き」といいます。
寄り付きでついた値段が「初値」です。

ネット証券では24時間注文が出せることもあり、寄り付き前には大量の注文が溜まっています。
価格がバラバラに散っていたり、買い注文と売り注文に差がついていることも珍しくありません。

多くの注文を不公平なく約定させるために、「板寄せ」という方法が使われます。
まず注文状況を「板」に記載し、投資家に注文変更を促します。
売買数が一致した値段で約定になるため、初値は同一時間、同一価格になります。

買い注文と売り注文に差が大きく、なかなか「寄り付かない」こともありますが、寄り付くまでひたすら待ちます。

ザラバは「価格優先」「時間優先」「成行優先」

寄り付いた後の時間帯を「ザラバ」といいます。
ザラバでは、「価格優先」「時間優先」「成行優先」の原則に従って、売買が行われます。
ちなみに、「ザラにある普通の場」が語源だそうです。

前場が終わる時間を「前引け(ぜんびけ)」といいます。
昼休みを挟んで「後場寄り」で後場が始まり、「大引け(おおびけ)」で終わります。
前場と同様に、後場も寄りと引けでは板寄せ方式が使われます。
大引けでついた価格が「終値」です。


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