証券会社は、株の売買の仲介以外にも、さまざまな金融商品を扱っています。
僕たち株式投資家にお馴染みのところでは、「投資信託」があります。他には、保険もあれば国債や社債もありますし、SBIや楽天のようにFX(外国為替証拠金取引)を扱っているところもあります。
このように多種多様な金融商品を証券会社が扱っていることと、「証券総合口座(MRF)」の仕組や「ラップ口座(SMA)」についても、お話ししたいと思います。
証券会社は多種多様な金融商品を扱うデパート
投資信託や保険商品の販売も手がけている
証券会社を訪れたり、ホームページをのぞいてみると、株や債券以外にも多種多様な商品が扱われていることがわかります。
最近の人気商品は投資信託です。
投資信託は「○○アセットマネジメント」などの名称の運営会社が設定する金融商品です。
証券会社は銀行やゆうちょ銀行と同じ「販売会社」としての位置づけになります。
顧客に商品内容を説明したり、販売後にアフターケアをおこなったりすることで手数料を得る仕組みです。
パンフレットなどはすべて、証券会社ではなく運用会社が用意したものです。
このほか、販売のみを手がける金融商品に、変額保険があります。
これは生命保険会社の商品です。
個人向け国債、社債、FXなど手広く扱っている
個人向け国債も、証券会社で扱われています。
購入時に金利が提示され、満期になれば購入代金が確実に払い戻されるというわかりやすさと、1万円から購入できるという手軽さが投資初心者に向いているようです。
個人向け国債と一般の国債(2年国債、10年国債など)は銀行やゆうちょ銀行でも扱われていますが、外国の国債や、企業が発行する社債を扱うのは証券会社だけです。
なかにはFX(外国為替証拠金取引)、先物取引、オプション取引などを扱う証券会社もあります。
このように証券会社は、初心者向けの商品から上級者向けのものまで取り揃えた、金融商品のデパートといえます。
証券総合口座(MRF)の仕組み
MRFは証券会社の普通預金【決済から取引までひとつの口座でOK】
銀行で総合口座を開設すれば、普通預金、定期預金、積立、自動貸付などさまざまなサービスが利用できます。
証券会社での総合口座に当たるのが、「証券総合口座」です。
その中核を担うのは「MRF」(Money Reserve Fund)で、安全性の高い短期の債券などで運用する投資信託です。
MRFの元本保証はありませんが、証券会社で銀行の普通預金のように使われることを目的としているので、比較的安全に運用されています。
証券会社に入金したお金は、即座に証券総合口座のMRFの購入に充てられます。
証券総合口座が導入される前は、株などの購入資金は預かり金として扱われていました。
投資家の資金である預かり金を、自社の取引に流用していた証券会社もあったのです。
しかし、証券会社が破綻した際の扱いが難しいことが問題になりました。
そこで、顧客保護のために導入されたのが証券総合口座です。
MRFなら証券会社の破綻時でも、確実に資金が守られます。
いつでも解約できるうえ、1日ごとに分配金がもらえるのもメリットです。
MRFには、給与振込などの決済機能もある
株式や債券を購入するときには、まずMRFを解約し、その資金を株などの購入代金に充てることになります。
MRFの買い付けは、ATM(現金自動預払機)からも行えます。
なかには給与振込や、公共料金やクレジットカード代金の引き落とし口座としても使える証券会社があります。
ラップ口座(SMA)とは
ラップ口座は、運用のプロがポートフォリオを構築してくれる「プチプライベートバンク」
仕事で忙しく金融商品を選ぶのが面倒な人や、退職金などまとまったお金の運用を考えている人に向けた口座が「ラップ口座」です。
一定に資産を預けると、運用の専門家がニーズに合わせたポートフォリオ(投資の組み合わせ)を構築してくれます。
定期的に運用報告が行われ、マーケットの状況に応じた組み替えも提案してくれます。
これらのサービスと売買手数料を含めて、利用料が設定されているのも特徴です。
ラップ口座のラップとは、「包み込む」という意味で、レンジ調理に欠かせないラップと同じ言葉です。
大事な資産を丸ごと包んで面倒をみてくれるサービスといえます。
最近では、ラップ口座というよりも「SMA」(Separatly Managed Account)という呼び方が主流となっています。
ラップ口座が「投資一任」とはいえ運用結果は自己責任
利用最低金額は商品によって異なりますが、500万円程度から利用が可能です。
利用金額が大きいものほど高度な精進と充実したサービスが受けられるのは、いうまでもありません。
個別株を組み合わせてオリジナルの投資信託を作ってくれる商品もあれば、SMA のために設定されたヘッジファンドが利用できる商品もあります。
アドバイスの内容も、毎月レポートが届くだけの商品から、担当者が訪問してくれるものまで多種多様です。
ただし、運用結果について責任をとってくれるわけではありません。
疑問を感じたら質問したり、ダメだと思ったら解約する決断も必要です。
誰に任せるかを含めて、運用はあくまで自己責任です。
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