「投資顧問会社」の業務は、大きく分けて2つあります。
ひとつは「投資一任業務」、もうひとつは「投資助言業務」です。
どちらの業務を行うにせよ、金融商品取引法に基づいて財務局に登録された金融商品取引業者でなければなりません。
投資顧問会社とは、顧客に対し有価証券やデリバティブ取引に関する「アドバイス」、または「一任を受けての投資」を行い、その対価として報酬を得る企業のことです。
と、法律に関することなので、キチンとした言葉で書きましたが、株の初心者の方には聞きなれない言葉のオンパレードだったかと思います。
でも、大丈夫です。ファイナンシャルプランナーをしている僕でも最初は難しくて頭に入ってきませんでしたから。
ということで、投資初心者の方にもなるべく分かりやすいようにお話ししていきたいと思います。
✅ この記事でわかること
- 投資顧問会社の業務について
- 証券会社で投資アドバイスをしてる人たち
- 【オフレコ】僕自身の経験から「投資顧問はいらないと思う」という話
投資顧問会社が株式などの運用アドバイスをするにも登録が必要
かつての「投資ジャーナル事件(必ず儲かると投資家からお金を騙し取った詐欺事件)」に代表されるように、投資顧問業者がオイシイ話を持ちかけては虎の子を騙し取る事件は、後を絶ちません。
そういった経緯から、現在の法律では財務局への登録が必要となっていて、投資顧問業者はアドバイスのみを行う「登録投資顧問業者」と、顧客の資金を預かる「投資一任業者」に分けられています。
登録投資顧問業者は登録と営業保証金(500万円)の供託のみで開業できます。
500万円の供託金を高いと思うかどうかは別として、財務局への登録自体は誰でも可能です。
証券会社はもちろん、税理士やファイナンシャルプランナー(FP)でも、投資アドバイスを行う場合は必ず財務局に「投資助言業」として登録しています。
投資顧問会社は運用のアドバイスから投資一任まで行う
ネットで会員を募集し、「この株が上がる」といった投資情報を売っているのも登録投資顧問業者です。
なかには自分たちの利益のために怪しげな情報を流したり、情報操作と大量の資金を駆使して「仕手戦」を仕掛ける業者が存在するのも事実です。
もちろん、そんな悪質な投資顧問会社はごく一部ですが、彼らの行為に加担したり、利用されないためには、ある程度の情報の質を見抜く力が必要です。
ちなみに、投資助言業者として登録していないファイナンシャルプランナーが行えるアドバイスは、金融商品取引法の関係から、投資対象や金融商品の説明に限られていて、具体的な売買のタイミングや今後の相場観などについては話せないことになっています。
投資一任業者に一定の報酬を支払う
「登録投資顧問業者」が銘柄選択などの情報提供にとどまるのに対して、「投資一任業者」は顧客の資金を預かってトータルな運用を行います。
それだけに責任は重く、投資一任業者になるには財務省による認可が必要です。
証券アナリストといった、信用力が高く、充実したスタッフを抱えていることが条件となります。
ラップ口座やSMAといった運用サービスにも投資一任業者としての認可が必要です。
銀行や証券会社の多くも、認可を受けています。
投資一任業者に運用を委託した場合は、投資運用額の○%といった形で報酬を支払います。
料率はピンキリですが、なかには一定の収益を成功報酬として支払うところもあります。
証券会社で働く専門知識を持った投資顧問たち
証券会社には、アナリストなど高度な証券知識を持つプロがいます。
株式投資初心者の方には、彼らの話しを聞いたり、あるいはネットで公開されている専門家の情報に目を通すことは、金融やマーケットの知識を学ぶうえでたいへん役立つことでしょう。
営業するには証券外務員資格が必要
ネット取引は一般化したことで「株式投資をしているけれど、証券会社には行ったことがない」という人が増えています。敷居が高いイメージのある証券会社ですが、投資家にとっては情報の宝庫です。
さまざまな資料が揃っているうえ、営業マンや証券レディから生きた情報がもらえるかもしれません。
投資家の注文を取り次ぐ営業職に就くには、「証券外務員」の資格が必要です。
電話注文を取り次ぐコールセンターのスタッフになるにも、この資格がいります。
ちなみに、銀行やゆうちょ銀行で投資信託の販売を担当するにも、この資格が必要です。
最近では証券外務員の中にもファイナンシャルプランナー(FP)の資格を持つ人も増えています。保険や不動産など幅広い知識が必要とされるこの資格は、トータルなアドバイスに不可欠といわれています。
証券会社の頭脳はバックオフィスにいる
今後のマーケットがどう動くか、その株が上がるのかといった分析を行うのが「アナリスト」です。
個別株のアナリストなら、企業訪問や財務データ分析、業界動向調査などをもとに株価の動向を判断し、レポートにまとめます。
経済誌などには、毎年ジャンル別のアナリスト人気ランキングが発表されます。
人気アナリストの転職や独立は珍しくありません。
アナリストになるには、日本証券アナリスト協会による「証券アナリスト」の資格が必要です。
経済全体の動向を探り、総合的な投資戦略を練るのは「ストラテジスト」の仕事です。ストラテジストとアナリストをまとめて「アナリスト」と呼ぶこともあります。
ちなみに、僕が務めていた先物取引会社にも、バックオフィスにはトレーダーやアナリストといった「専門家」が常に情報を集め、リアルタイムで映し出されたチャートを見ながら顧客に投資アドバイスをしたり、あるいは「自己玉(会社自らが行う投資)」の運用に関する戦略を練っていました。
【オフレコ】個人的には「投資顧問」はいらないと思う
元先物取引会社に勤めていて、しかも、ファイナンシャルプランナーでもある僕がこう言うのもなんですが、
個人的には「投資顧問」を雇う必要はあまりないように思っています。
もちろん、僕自身も「投資アドバイザー」を雇った経験があったうえでのお話しです。
ここまで、「投資顧問会社って何をするの?」というテーマで書いてきたのは、あくまで「投資顧問業」がどういったものかを説明するためで、必要かどうかはまた別の問題ですから…。
たしかに、もし投資に関してまったくの初心者が、株や投資信託や債権にいざ投資しようと思ったら、不安になって「誰か専門知識を持った人に話しを聞きたい」、と思う気持ちはわかります。
ですが、さんざんいろんな投資をしてきて、上手くいったこともあれば、大きな損失をこうむったこともあった僕から言わせれば、「何も知らないうち」に投資を始めることはお勧めしません。
大切な自分のお金を投じるわけですから、やはりある程度は金融や経済についての知識を事前に習得しておくべきです。
そうすれば、いざ投資顧問を雇うとなった時に、そのアドバイザーの良し悪しもある程度わかるようになるはずです。
投資顧問を雇ったとしても、そこで得た結果は利益になろうと損失になろうと当然自己責任です。
だとしたら、僕は顧問料を払って専門家を雇うよりも、自分の判断で投資した方が結果に対して納得がいくと思います。
「仕手株」の情報が入ってもエントリーとエグジットの判断は難しい
最後にひとつ、実際にあった僕と投資アドバイザーとの具体的なやりとりをご紹介します。
もうずいぶん前のことなんですが、ある日の朝、「投資アドバイザー」の人から、
「とある筋が、日成ビルド株に仕掛けるらしい」
という情報をもらいました。ただし、
「いつ仕掛けるのか、どのレベルまで株価を押し上げるのか、についてはわからない」
とのことだったんです。
で、僕はチャートの前で固唾を飲んで見守っていたわけですが、その日の後場が始まってしばらくした「凪」の状態の時に、突然、日成ビルド株が高騰しだしたんです!
「そんな美味しい情報があれば、きっと大儲けできただろう」と思いますよね?
ところが、これが意外と手を出せないんです(笑)。
なぜなら、株価の上昇があまりにも急ピッチで、エントリーするタイミングが難しいんです。
「ストップ高までヤル」という情報でもあればいいんですが、仕手筋の具体的な戦略など漏れてくるわけはないですし、そもそも仕手筋がわざわざ「仕掛け」についての情報を流布するのは、「カモを集める」ことが彼らの利益になるからです。
なので、そもそも論ですが、「他人から漏れてくる投資情報」が、自分に利益をもたらしてくれるなどと考えていない僕には、そんな情報をもとに「大事な資金を投じる」なんてことはできないですし、初心者の方にもお勧めできないと思っています。
ということで、やはり投資というものは自分で勉強をし、自分の判断だけをたよりにすべきものだと思っています。
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