投資ファンドやヘッジファンドと聞くと、何か「大きなチカラを持っている集団」といった、少し恐怖に似たイメージがあるかもしれません。
おそらくそれは、彼らが大きな運用資産と、情報収集能力を持っているからでしょう。
僕が先物取引の会社に勤めていた頃も、「ファンド」と聞くと、自分たちの手に負えない怪物のような怖さを感じたものです。
投資ファンド・ヘッジファンドは高いリターンを追求する投資のプロ集団
先ほど、投資ファンドやヘッジファンドには恐いイメージがあるかもしれないと話しましたが、同時に、投資ファンド、その中でも特に「ヘッジファンド」という響きに一種の憧れを持っている人も多いかと思います。
なぜなら、僕もそのひとりだからです。
1990年代にNHKで「マネー革命」という番組があって、その中で初めて聞いた「ヘッジファンド」という言葉に不思議なほど引き付けられたのを今でも覚えています。
短期間で高いリターンを追求する
ファンドとは、多くの人から集めた資金を運用するスキーム(型体)をいいます。
たとえば、「世界遺産基金」はワールド・ヘリテイジ・ファンドです。
投資ファンドとは、顧客から集めた資金を投資目的で運用するファンドを意味し、銀行などで扱っている投資信託からヘッジファンドまでを含みます。
とはいえ新聞などで「投資ファンド」というときは、投資目的で経営権を握る「バイアウト・ファンド」(Buy-Out Fund)を指すのが普通です。
たとえば「モノ言う株主」(アクティビスト)として名を馳せた村上ファンドは、東京スタイルや阪神電鉄の株を市場で買い集め、大株主として増配や経営の効率化を要求しました。
欧米には、株主が前向きな経営改革を提案することで会社をよくしていく伝統があります。
これに対してアクティビストは、短期的な利益を狙った提案をするのが特徴です。
株価が安く、土地などの「含み資産」が大きい企業を狙って大株主になり、土地に売却を要求するなどの手法がしられています。
企業を再生させることで利益を得る
「企業再生型」の投資ファンドとして知られるのは、破綻した日本長期信用銀行を新生銀行として再生させたリップルウッドです。
10億円の出資で経営権を手に入れたリップルウッドは、新生銀行の上場で2200億円以上の利益を手に入れました。
破綻した企業を格安で買い取ることから「ハゲタカファンド」と揶揄されますが、長期的な視点で企業を再生させるノウハウを持つファンドといえます。
ブルドックソースや日清食品へのTOB(公開買付け)を行ったスティール・パートナーズも、企業再生型のファンドです。
同社の保有銘柄は「スティール銘柄」といわれ、TOBによる値上がり狙いで購入する投資家もいます。
また、単にTOBによる値上がりを狙う投資ファンドや、企業に買い取ってもらうことを前提に株を買い集める「グリーンメーラー」という手法を得意とする投資ファンドもあります。
ベンチャー企業に資金提供するファンドもある
IPO(株式公開)を目指す企業に投資を行う「ベンチャーファンド」も、投資ファンドの一種です。
いくら夢とアイデアがあっても、資金がなければビジネスとしての成功は望めません。
そんな若い企業に資金を提供するのがベンチャーファンドです。
ベンチャーファンドは企業の将来性を見抜く目利きでもあります。
資金だけではなく経営ノウハウも提供することから、欧米では「エンジェル」とも呼ばれます。
ヘッジファンドはデリバティブを駆使した運用集団
運用の世界では、リスクとリターンは裏表といわれます。
リターンが高い運用であれば、高いリスクを覚悟しなければなりません。
そんな常識を覆したのが「ヘッジファンド」です。
ヘッジとはリスクを抑えることで、リスクを抑えた運用で高収益を上げるファンドを意味します。
腕自慢のファンドマネージャーが金融機関から独立してファンドを立ち上げるケースがほとんどです。
運用資金は、自己資金と顧客から預かった資金を合わせて数億円程度になります。
デリバティブを駆使してハイリターンを狙います。
ちなみにヘッジファンドの顧客になるには、数千万から億単位の資金が必要といわれています。
一般的な投資信託は「公募投信」といいますが、ヘッジファンドは「私募投信」といいます。
ケイマン諸島やブリティッシュアイランドなどのタックスヘイブン(租税回避地)に籍を置くのが一般的です。
運用内容の規制や開示義務はないので、投機的な動きで市場の攪乱材料になることもあります。
1997年のアジア通貨危機は、ヘッジファンドの投機がきっかけでした。
1998年に破綻したTCM(ロングターム・キャピタル・マネージメント)は、債券投資を得意とするヘッジファンドでした。
実際には思惑が外れて破綻するヘッジファンドも少なくありません。
相場下落時でも収益が上げられる
普通の株式投資で資金を殖やすには、相場が右肩上がりであることが前提になります。
しかしヘッジファンドなら、どんな相場で状況でも収益を上げることができます。
最近は公募投信にも、ヘッジファンドを組み込んだ商品が登場しています。
怖いイメージのヘッジファンドですが、おもな顧客は年金基金や退職金基金、投資信託などの機関投資家です。
日本の年金もヘッジファンドを通じた運用を積極的に取り入れています。
もしかしたら、あなたの年金も、ヘッジファンドで運用されているかもしれません。
ヘッジファンドの投資方法
高度な運用方法を駆使して、どんなマーケット状況でも収益を狙う!
- ロング・ショート
- 割安なものを買うと同時に、割高なものを売る手法。
「買い」の投資を「ロング」といい、売りを「ショート」という。 - アービトラージ
- サヤ取り(アービトラージ)によって収益を上げる手法。
同じ銘柄にも関わらず、市場によって価格差があるものを狙って売買する。 - イベント・ドリブン
- M&Aなどのイベントによる株価の動きを狙って投資を行う。
- マーケット・ニュートラル
- 市場の動きに左右されず、銘柄選定による利益を積み上げていく手法。リスクが低く、安定性が高いといわれている。
- グローバル・マクロ
- マクロ経済の動きを見通した運用を行う。
ジョージ・ソロスがポンド売りで数十億円の利益を得たのは、この戦略による。 - マネージド・フューチャーズ
- 商品先物によって投資を行う。
「フューチャーズ」とは先物取引のこと。
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