買いたい人が多いほど株価は高くなる
人気や期待度が株価を決める
「株式投資は美人投票に似ている」といったのは、20世紀を代表する経済学者のジョン・メイナード・ケインズでした。
ケインズ曰く、「自分が美人だと思う女性ではなく、大勢の人が美人だと思って投票するだろう女性を選ぶのがコツ」だそうです。
株価が上がるシンプルな理由は、「みんなが買うから」です。
2005年にライブドアの株価が急騰したのは、時代を代表する「美人」だったからにほかなりません。
よい企業だったから株価が上がったわけではないことは、いうまでもありません。
好景気のときは株式市場全体が上昇する
株が買われる理由は、大きく分けて2つあります。
ひとつは外部要因です。
景気がいいときには、「株でも買ってみようかな」という気分が大きくなり、株式市場全体が上昇していきます。
「株価は景気を先取りする」といわれるように、誰もが好景気を実感してから株式投資を始めても、大きく儲けることはできません。
「そろそろ景気がよくなるかな」と思ったときに買っておくのが正解です。
株価が上がるから人気が集まることもある
もうひとつはその企業の魅力です。
「業績がよい」
「高い配当がもらえる」
「画期的な商品が発表された」
などさまざまです。
ひとりが気づいただけでは株価は動きませんが、大勢が「いい!」と思うことで株価は上昇していきます。
株価が上昇を始めると、「上がっている」こと自体が人気材料になります。
そんな状況が続くと、いずれ「利益に対して株価が高すぎる」と冷静な判断をする人が登場し、株価は下落していきます。
財務諸表の中を見てみよう
企業の成績や状態がわかる「家計簿」のようなもの
増収増益の企業が理想
財務諸表とは会社の利益やお金の出入りを一覧にした書類で、決算ごとに公表されます。
「損益計算書」(P/L)は、利益の一覧表です。
ただし、単に「利益」というときには、「当期純利益」を指します。
売上高から原価を引き(売上総利益)、人件費などのコストを引き(営業利益)、営業外損益を加減し(経常利益)、さらに偶発的な損益を加減し(税引前当期純利益)、最後に法人税などの税金を引いた残りが「当期純利益」です。
どんなに売上高が伸びていても、当期純利益が伸びていなければ投資家からの評価は得られません。
売上高と当期純利益の両方が伸びている「増収増益」の企業が理想です。
バランスシートで財務状態がわかる
「貸借対照表」(B/S)は、財務状態を表す一覧表です(バランスシートともいいます)。
左側に「資産」、右側に「負債」と「純資産」がまとめられていて、「資産=負債+純資産」という関係にあります。
「資産」とは、現金や有価証券、ビルや工場といった不動産などの財産のことです。
「負債」と「純資産」は、資産を得るために集められたお金の内訳のことです。
銀行からの融資や社債を発行して集めたお金は、いずれ返済するので「負債」に分類されます(他人資本ともいいます)。
これに対して株式を発行して集めたお金は、返済の必要がなく、「純資産」に分類されます(自己資本ともいいます)。
自己資本の割合を示す「自己資本比率」は借金が少ないほど高くなるので、財務内容の安定性を見る指標としてよく使わます。